【お知らせ】
ブリヂストンが月面探査車のタイヤの第二世代の開発に成功しました。
yahoonewsにも掲載されていますので詳しくはこちらをご覧ください。
 
株式会社シンコウはブリヂストンのタイヤ特約店として長きにわたり営業して参りました。
なので今回はブリヂストンの紹介を少しさせて頂きます。
月面探査車に求められる性能
 
① 空気を使わずに支えるタイヤ
月面は高真空(ほとんど空気が無い状態)であるため、通常のゴム製のタイヤのように空気で荷重を支えることが困難な環境です。そのため月では非空気入りタイヤである必要があります。
 
② 激しい気温差や放射線に耐えられる金属製タイヤ
月面には地表を守る大気がないため、宇宙線と呼ばれる高エネルギー放射線に曝され、また温度も120℃から-170℃になると考えられています。そのため、ゴムや樹脂といった高分子材料は、月面環境では硬さが大きく変化してしまううえに劣化が早く使用が困難なため、金属を用いたタイヤを開発しています。
 
③ 砂地でも沈み込まずに走行できるタイヤ
月面はレゴリスと呼ばれる微細な砂で覆われており、走行時にタイヤが沈んで埋もれてしまう可能性があります。そのため接地面を大きく確保し、レゴリスに沈み込まずに走行できるタイヤを目指しています。
<第2世代(エアフリー®の技術を活用したスポーク構造)>
第1世代の上記技術を進化させつつ、これまでの研究開発を通じて分かってきた月面を走るモビリティに求められるより厳しい走破性と耐久性に対応するため、新たな骨格構造を適用しました。新構造では、空気充填が要らない次世代タイヤ「エアフリー」で培ってきた技術を活かして新たに薄い金属製スポーク(※1)を採用し、トレッド部を回転方向に分割しています。これにより、岩や砂に覆われまた真空状態で激しい温度変化や放射線にさらされる極限の月面環境下においても、走破性と耐久性の高次元での両立を目指します。
また、リアルとデジタル技術の進化により金属製スポークの形状や厚みを構造シミュレーションで最適化し、しなやかに変形しながらも金属部材の局所的なひずみを最小化して疲労耐久性を高めつつ、分割したトレッド部により接地面積を大きくしてタイヤを沈み込みにくくすることで、走破性もさらに向上させています。
今回は以上です。